労働契約について
契約の終了:退職と解雇
解雇も退職も”労働契約の終了”=”労働者が会社をやめること”ですが、「解雇」とは会社から一方的に労働契約を解除することをいい、「退職」とはそれ以外の労働契約の終了のことをいいます。

退 職
契約期間満了による退職
期間の定めがある契約においては、その期間が満了した場合、契約は当然に終了します。契約期間満了に当たって、前の契約を更新したり、あるいは新たな契約を締結し直すことは可能ですが、それは各当事者の自由に委ねられます。ただ、契約期間終了後も労働者が引き続き労務に服し、会社も特に異議を述べないときには、それまでと同じ条件で契約が更新されたものとみなされます。
自己都合退職
労働者が労働契約の終了を申し出て、会社がその承諾を得て退職するのが原則です。しかし、会社が一方的に契約を解除する”解雇”には規制がありますが、労働者の意思で一方的に辞める場合は特に規制はありません。通常は引継期間などを考慮して、「退職の申し出は1ヶ月以上前にしなければならない」などと就業規則に定めますが、労働者が退職を申し出て2週間経過すると会社の承諾がなくても、退職の効力が発生します。
定年退職
一定の年齢に達した場合に、自動的に労働契約が終了することを定めたものが”定年”です。会社が定年を定める場合には、最低60歳にすることが義務付けられています。
死亡退職
労働者が死亡すれば労務が提供できず、労働契約関係が維持できないので、自動的に退職となります。
解 雇
本来契約は当事者間で自由に解除できるはずですが、実際問題として会社と労働者は平等ではなく、会社側よりも労働者側が受ける不利益の方が甚大であることが多いので、解雇については労働者保護のための規制が設けられています。
解雇に係る規制
【解雇権濫用の法理】
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当として是認できないときは、権利の濫用として無効となります。
【解雇予告】
会社が労働者を解雇をする場合、少なくとも30日前に予告するか、または30日以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払うことが義務付けられています。
ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、及び労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、所轄の労働基準監督署長の認定を受けることにより、即時解雇をすることができます。
また、以下の者については解雇予告は必要ないとされています。
・日雇労働者(1ヶ月を超えて引き続き使用された場合を除く)
・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて引き続き使用された場合を除く)
・季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて引き続き使用された場合を除く)
・試用期間中の者(14日間を超えて引き続き使用された場合を除く)
【解雇制限】
次の解雇は禁止されています。
・業務上の傷病により休業する期間及びその後の30日間の解雇
・女性労働者が産前産後の休業をする期間及びその後30日間の解雇
・不当労働行為となる解雇
・国籍、信条等を理由とする解雇
・監督機関に対する申告を理由とする解雇
・婚姻、妊娠、出産、産休、育児介護休業を理由とする解雇

(狭義の)普通解雇
労働者の能力や適格性の欠如などのため労務提供が適切になされなかったり、労働者に業務命令違反や不正行為、暴行、施設破壊などの行為があった場合などが、普通解雇の事由にあたります。
普通解雇が有効となるには、一般的に次の要件を満たす必要があります。
・就業規則等に解雇となる事由を定めていること
・解雇とする相当な理由があること
・注意や指導をしても改まらないこと
・法律上の解雇禁止に該当しないこと
・解雇予告手続の履行
整理解雇
会社が不況や経営難などで、人員削減の必要に迫られて行う解雇を整理解雇と呼びます。
整理解雇の適法性を判断するにあたって、以下のいわゆる"整理解雇の4要件”の基準を満たす必要があるとされています。
・客観的に人員整理を行う業務上の必要性があるか
・整理解雇を回避する他の手段がないか、また会社が整理解雇を回避する努力をしたか
・被解雇者の選定が合理的な基準によりなされたか
・労働者に対して事前に説明し誠意を持って協議したか
懲戒解雇
企業秩序を乱す労働者に対して、会社が課する制裁罰である懲戒処分による解雇です。
懲戒処分には、「譴責」「減給」「出勤停止」「諭旨退職」「懲戒解雇」などがあります。
懲戒処分についても、就業規則等に、懲戒処分に該当する事由、処分の種類、処分の手続を定めなければなりません。
なお、会社が懲戒解雇処分を決定しても、労働基準監督署に「解雇予告手当の除外認定」を受けなければ、即時解雇はできません。
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